以前も書きましたが、今年はネットの視聴サービスを利用して映画をよく観ています。夏以降150作品以上観ていますが、短期間にここまで観たのは初めてです。そして私自身が映画視聴の初心者なので色々と勉強にもなります。例えば背景のボケが気になると感じて調べてみると、それはアナモフィックレンズを撮影で使用しているということ、また写真では奥行き感を出すために、あえて水平を取らずに斜めにすることもありますが、映画は傍観者としてその世界の一部を切り取っていると感じられ、基本的に水平です。稀に水辺線が微妙に傾いていて気持ち悪さを感じる映画もありました。その他、部屋の中に人がいるときに映像では空間に強いパースが付いていますが、次のシーンでその人物が移動した時には水平垂直が綺麗になっていたり、つまりこの場合はその「次のシーン」がメインで、その前のシーンと一緒に撮られているのが分かります。また迫力や臨場感を出すために、カメラがおそらく手持ち撮影で揺れてぶれている効果、あえてピントを外したボケた映像の効果など、その他に衣装やライティングなど、写真で知っている分野でも映画で見れば体感できる点もあって非常に勉強になります。
映画は見始めると、途中面白くなくても最後まで見るようにしています。何も考えずに観られる作品もあれば、ハラハラドキドキして上記の撮影のことなどが意識できないほどに面白い映画もあります。逆に全く好みでないものもあります。しかしその好みでないと感じたものでも、多くの人が携わっており、その人たちにとっては思い入れのある作品かもしれません。それを思うと逆に違った面白さが感じられることもあります。なぜ好みでないと感じたのか、ストーリー、その展開、人物のキャラクター設定、音楽や映像の効果など、自身の好みや考え方に気付くことがあります。
そして映画を観ることは間違いなく写真にも影響を与えています。どういった雰囲気を撮りたいか、どういった人物をどのように撮りたいか、ロケーションやライティングなど。今は新型コロナウイルスの影響で、特に場所の移動に関して自由に撮影することが難しい状況ですが、この冬以降、来年はそれらが撮影できると意識して準備したいと思います。自分の撮る写真も楽しみです。